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 支部総会の報告

 

平成28年4月23日(土)に、ホテル北野プラザ六甲荘 にて本年度支部総会を開催いたしました。

第一部  講演会: 10:30~12:00

出席者73名

(兵庫支部37名、他支部12名、一般24名)

 講師:小川 洋子氏

(お茶大・昭41・史学科卒/東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了)

 演題:≪古代ギリシアの植物学≫~テオプラストスの『植物誌』を通して見る古代ギリシア人の生活と自然観

第二部  総 会・会 食:  12:30~14:30     出席者36名      

総会次第により議事進行し、行事・会計報告、行事計画案及び予算案が原案通り承認されました。

新緑に包まれ、うす紫のアケビや藤、黄色いたんぽぽを鏤めた六甲山の麓に小川洋子氏(昭41、史)をお迎えしての講演は、題して「古代ギリシャの『植物誌』」。遠く隔たった時空が植物で結ばれた。お茶大卒業後、東大大学院で古代史を専攻した小川氏は、ギリシャ語、ラテン語の語学力と日本画の技を用いて古代ギリシャはテオプラストス(前373頃~前287頃:以下Th.)の『植物誌』を、翻訳出版された(『植物誌』Ⅰ,Ⅱ 京大学術出版会2008;2015)。この業績を踏まえて、十分に準備されたレジュメとギリシャの植物の手ずからのカラー・スケッチと写真をふんだんに用いた映像と、溌剌とした語り口とで我々を魅了した。

 Th. は、アレクサンドロス大王に招かれたアリストテレス(以下Ar.)に随行し、アテナイのリュケイオンで共に教えた。『植物誌』はその講義録である。雄弁術に優れ長身にして容姿端麗、白皙の額と高貴な香りのゆえに、Ar. によって「テオプラストス(神のように話す人)」と渾名された。学頭の地位と実証的学風とをAr. から継承したTh.は、ギリシャとその周辺の植物を隈無く観察して記録し、『植物誌』を残した。この書の翻訳に当たり小川氏もTh.の足跡を辿る旅に出る。いかなる分野であれ優れた翻訳は、外国語に堪能なだけでは十分でなく、テクストの書かれた土地と時代に身を置く考察を要求されるからだ。氏の翻訳もまた手と足で書かれたといえよう。講演が進むにつれて Th. と氏が渾然一体となって迫ってきたのも不思議ではない。知識は獲得すると共に正しく使用する知恵を必要とするということを、現代の科学に対

する古代の碩学からの伝言として強調されたのが印象的だった。

 

入子 文子(昭40英)記

☆*☆講演会参加の方々から届いた感想(一部抜粋)☆*☆*☆

・ほかでは聞けない、とても興味深いお話で、あっという間に時間がすぎました。

 遠い国の古代のお話にワクワクしました。

・予想をはるかに超え、盛りだくさんの内容でした。沢山の珍しい植物の写真を見られて満足です。

・小川先生の植物素描の素晴らしさに息をのみました。美しい絵葉書ありがとうございます。

 記念になります。etc.

★*★講師・小川先生より頂いたメールより(抜粋) ★*★*★

 先日は、大変お世話になりまして有難うございました。行き届いたお心遣いも痛み入りました。

・・・講演後に、直接お声をかけてくださった方々もあって、なにより大きな励ましを頂きました。これまで勉強してきたことに、興味を持ってくださる方がいる、ひょっとすると少しでもお役に立ったかもしれないというのは本当に嬉しいことです。そんな機会を与えてくださった、兵庫支部会に本当に感謝しております。色々ご配慮頂き、心からお礼申し上げます。 ・・・では、また、いつかお会い出来ます日を楽しみにいたしております。・・・(小川先生には第ニ部懇親会にもご出席いただきました)

*総会及び講演会にご出席の皆様、このたびの熊本地震に対しまして、受付にて設置しました募金箱へのご協力ありがとうございました。集まりました金額は熊本県健康福祉政策課義援金担当係へ宛て、また、桜蔭会熊本支部には兵庫支部特別会計よりお見舞い金を送金させていただきました。

 

*以下、『熊本支部』よりいただいたメール抜粋です。

…(兵庫支部の皆様からの)本当に有難いお申し出に感謝いたします。想定外の災害に戸惑って

おりましたが、心温まるお言葉に励まされました。熊本支部会員の中には、ご自宅や職場に大きな

被害を受けられた方やお怪我をされた方もおられましたが、兵庫支部の皆様のお気持ちをお伝えし

ます。皆様も励まされることと思います。 大変な状況の時に手を差し伸べてくださった皆様の

ことを心に刻んで私共も前進していきたいと思います。ありがとうございました。

                   ~熊本支部長 池田由美~

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